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第百三話 

Penulis: marimo
last update Terakhir Diperbarui: 2026-01-05 08:07:37

そして翌日――。

 磨き抜かれた大理石の床に煌めく照明が反射し、まるで星空を逆さに映したように会場全体が光に包まれていた。格式あるシャンデリアの光が降り注ぎ、数百名の招待客の衣装がきらめき、場はすでに熱気と緊張を孕んでいた。

 そのざわめきを切り裂くように、一段と強いスポットライトが入口へと向けられた。

 招待客たちの視線が一斉に吸い寄せられ、そして――。

 龍一が玲華をエスコートして姿を現した瞬間、会場の空気は劇的に変わった。

 息を呑む音が、はっきりと聞こえるほどだった。

 玲華がまとうドレスは、深い瑠璃色に淡い銀の刺繍が施され、動くたびにまるで月明かりの波が揺れるように光を帯びた。肩に添えられた龍一の手は確かで、二人の歩みは洗練された貴族のように優雅だった。

 ドレスの裾が揺れるたび、蓮の胸は苦しく締め付けられた。

 失ったと思った。

 もう二度と、目の前に現れない――そう覚悟したはずだった。

 それなのに。

 ――蓮の視界に、玲が鮮やかに蘇る。

 昨日まで自分が手放しかけた存在が、まるで夢から引き戻されたかのようにそこに立っている。だが、今夜の玲華はなぜか桐嶋龍一の腕に支えられていた。

 その光景は、蓮にとって息を呑むほど眩しく、同時に――刺すように痛かった。

 胸の奥が焼けるようだ。

 蓮は自分でも抑えられないほど心がざわつくのを感じていた。

 昨日まで「終わった」と言い聞かせ、いつかは諦めなければと必死に理性で蓋をしようとしていたのに。

 その鼓動は、ひとつたりとも嘘をついていなかった。

 蓮は、玲を失っていない。心がそう叫んでいた。

 知らず知らずのうちに、蓮は歩幅を大きくしていた。

 前席へ向かう足取りは鋭く、まるで引き寄せられるように早まっていく。

 隼人はそんな蓮の後ろを歩きながら、いつでも支えられる距離を保ち続けていた。

 焦りを見せず冷静に、しかし蓮の背中から溢れる決意をはっきりと感じ取っていた。

 会場のざわめきは次第に熱を帯び、空気が重くなる。

 龍一と玲華が、ゆっくりと壇上へと向かう。

 龍一の表情はいつものように落ち着いていたが、視線は観客の反応を読みながら玲華をしっかりと守っているようにも見えた。

 その瞬間に合わせるようにして――蓮はさらに早足になった。

 隼人は蓮の背中を見つめ、胸の中でそっと言葉を継ぐ。

(社
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